丸〆猫(まるしめのねこ)とは江戸時代から流行した今戸焼きの土人形のこと。
この丸〆猫には、本体の後ろにある丸の中に〆という文字=「丸〆(まるしめ)」マークがあります。その他、横座りやお顔と招く手は正面向きというのも丸〆猫の特徴です。一般的な招き猫のように「お金や福をせ〆る」という縁起かつぎが込められています。なんと招き猫の元祖、つまり最古と言われています。
作り手は、戦後作られなくなった今戸焼きの再現に、
東京の今戸地域の土、当時使われていた顔料にこだわって制作を試みておられる”いまどきさん”(今戸焼きを因んで)こと吉田義和さん。伝承してもらえる直々の師匠はいないわけですから、招き猫や今戸に関する資料を読みあさり、まさに手探り状態で今戸焼きの再現に取り組まれておられます。
今回ご紹介するのは、昭和戦前型4点。(江戸タイプはまた別の機会にご紹介します。)
朱色のスタイ、右手をあげているのが「昭和戦前型丸〆猫」と分類され、
郷土玩具の文献「うなゐの友」に紹介された絵柄が元になって作られています。
そして、見るからに金運がアップしそうな「丸〆小判猫」、
臥しても手をあげることを決して忘れない「丸〆猫臥姿」は、
今戸焼きの最後の生粋人形師、尾張屋、金沢春吉翁(明治元年~昭和19年)の作をお手本とされ作られたもの。
座っている小さな猫も同様に、金沢春吉翁作を模したものです。小さくても福の量はひと際多そうです。
この猫たちの魅力はなんといっても無骨ともいえる存在感。正直なところ”かわいさ”は選択されていません。そのかわり手のひらの上にのせると素材がいきいきしていると実感します。
日本、もとい東京のお土産ってなんだろう??と考えることが多くなりました。
そして、猫の町として知られる谷中へ店を構えるようになって二年。
“東京の土産”として堂々とご紹介できる逸品です!!
【★ 丸〆猫(まるしめのねこ) ワンポイントレッスン ★】
広重の錦絵「浄るり町繁華の図」(嘉永5年1852年) の猫が文献で確認できる最古のものといわれ、
新宿水野原遺跡から出土された招き猫がまさに、この錦絵に描かれていたものと酷似しているといわれています。詳しくは吉田さんのブログをご覧になってください。(注意:猫愛強いですw)→
こちら
【サイズ】
丸〆小判猫 (小サイズ) : 横幅 4.5cm / 高さ 6cm
丸〆猫 座姿 (小サイズ) : 横幅 3.4cm / 高さ 5cm
丸〆猫 臥姿 (小サイズ) ) : 横幅 5.3cm / 高さ 5cm
昭和戦前型丸〆猫 (中サイズ) : 横幅 7cm / 高さ 11cm